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運動を通して、人生を楽しく豊かに。
学び続ける専門家、小山啓太の原点

小山 啓太
eviGym CTO・トレーナー 小山 啓太

トレーナー歴20年。2020年よりeviGymに参画し、現在はCTOを務めています。群馬大学共同教育学部保健体育講座准教授として、運動と脳の働きについても研究。北海道札幌市出身で、アメリカの大学院にてスポーツ医科学と運動科学を学び、オリンピック選手やプロアスリートの指導にも携わってきました。肩こり・腰痛の改善や姿勢改善、ボディメイクからアスリートレベルの指導まで、幅広いご要望に対応します。英語での指導も可能です。

――幼少期はどのような子どもでしたか?アメリカへ渡るきっかけも教えてください。

小山: 僕は北海道札幌市で生まれ、旭川で育った根っからの道産子です。山の中を走り回り、幼稚園に入る前から水泳を始め、体操やスキーなど、さまざまなスポーツを習っていました。小学5年生で始めた少年野球では中学校でキャプテンになり、高校は野球の強豪校へ進学。3年生の夏には甲子園に出場しました。朝5時に起きて朝練へ行き、夜10時まで練習して、帰宅後は食事をして寝るというアスリート生活でした。正月休みもなく、9カ月間一日も休みがなかったこともあります。

ところが、大会前日の練習で腰のヘルニアが悪化してグラウンドに倒れ、救急車で運ばれました。最後の甲子園の夏は、それで終わってしまいました。この出来事をきっかけに進学先を東北から東京へ変えたことが、後のアメリカ留学につながっていきます。

立正大学でも野球を続け、4年生のときに「指導者になりたい」と思う一方、「今の自分では何も教えられない」というジレンマを抱えていました。さらに、当時は2000年の就職氷河期です。そのようなタイミングで日米大学野球に携わる機会を得ました。

初めてアメリカの野球やスポーツのあり方に触れ、自分自身の怪我の経験もあったことから、「スポーツ医学や野球をもっと勉強したい」「最先端のアメリカで学びたい」という思いが芽生え、留学を決めました。当時はインターネットもなかったため、本屋で大学を探して郵便で願書を送り、親にも言わずにアルバイトをしてお金を貯め、大学卒業と同時に渡米しました。

しかし、アメリカへ渡ったものの、中学生以下の英語力だった僕は、すぐに言葉の壁へぶつかりました。大学院の入学試験すら受けられなかったんです。それでも学部長の部屋へ行って直談判し、しつこく食い下がった結果、「すべての科目でB評価以上を取れなければ即退学」という条件付きで入学できました。今思えば無謀ですが、怖いもの知らずの若者だったからこそできたことだと思います。

――アメリカでの大学院生活では、どのような経験をしましたか?

小山: 留学中はお金がなく、朝5時から学校の清掃アルバイトをしていました。授業を受けた後は、医学用語などの不足している語学力を補うため、深夜12時まで図書館で勉強。課題を終えて午前2時に寝て、また午前4時に起きてアルバイトへ行くという生活を、留学2年目くらいまで続けていました。

体力だけはあったので何とか乗り切りましたが、まさか15年後に、この大学での生活が殿堂入り表彰されるとは思ってもいませんでした。

コロラドのオリンピックトレーニングセンターで働き、オリンピアンや金メダリストと間近で仕事をした経験は、今も生きています。大学野球の日本代表では、100名以上のプロ野球選手のトレーニングにも携わりました。「長く活躍し、伸びていく選手」を知る、とても良い勉強になりました。

トレーナーとしては、野球、ソフトボール、陸上、サッカー、アメリカンフットボール、レスリングなど、さまざまなスポーツに携わり、男女を問わず多くの選手を指導しました。病院で幅広い年齢層の方々に関われたことも、貴重な経験になっています。

――一般の方のトレーニングに目を向け、eviGymへ参加した理由を教えてください。

小山: アメリカで進学した2つ目の大学院では、パラリンピックの役員も務める障害者スポーツの先生から学びました。その経験が、僕にとってのスポーツや身体を動かすことへの意識を変えていきました。

障害のある方のトレーニングでは、特別なケアが必要な部分もありますが、根本的な運動の動機は一般の方と変わりません。「楽しい」「達成感を感じる」から身体を動かす。健康になるためだけではなく、内発的な動機は誰もが同じなのです。

日本人の多くは、スポーツに対して「特別な人がするもの」「自分がするのは恥ずかしい」と考えています。体型や美容への関心が高い日本の20代女性でも、運動習慣がある方は少なく、「本当は運動をしたい」と思いながらも、まずは食事制限を選んでしまいます。一方、アメリカでは「楽しいから」「運動をすると人生が豊かになるから」という理由でスポーツをし、運動を身近に感じている方が多くいます。

上手か下手かは関係なく、「自分の身体を動かすことが気持ちいい」と感じるから運動する。本来、スポーツとはそういうものであるべきだと思っています。

僕は人生の大半をスポーツに捧げ、プロアスリートへ指導できる経験を積み、教壇にも立ってきました。しかし、それだけでは日本の運動習慣は変わりません。自分が得てきたものを、もっと広く共有したいという思いが強くなりました。研究や論文発表だけで終わらせず、人の人生や社会へ還元しなければならないと考えたんです。

行政の親子運動教室などにも携わる中で、これからを担う女性がもっと輝けるような指導をしたいと思っていました。そのようなときに「すべての人に運動習慣を」というeviGymのコンセプトに共感し、参加することを決めました。

――特にどのような方に、運動習慣を身につけてほしいですか?

小山: 子どもから高齢者まで、すべての方が運動習慣を身につけることが大切です。その中でも、これからを担う子どもたちにとって、運動は特に重要だと思います。

ただし、子どもだけを指導すればよいわけではなく、早期教育がすべてよいとも限りません。子どもは「アンストラクチャープレイ」と呼ばれる何気ない遊びを通して、複雑な身体の動きを習得しています。

転ばないようにしたり、転んだときに受け身を取ったりする「フィジカルリテラシー」を身につけ、「どうやって遊ぶか」を考えることで、創造的な脳の働きも養われます。それを自発的な遊びで得る前に、指導という型にはめてしまうと、創造力や適応力が失われてしまうことがあります。幼少期に特定の技術指導ばかりを詰め込みすぎるのは、かえって危険です。

また、「私は運動が苦手だから、子どもには運動神経がよくなってほしい」と、親御さん自身は運動せず、子どもだけにさせるのもよくありません。「私には無理」と失敗を恐れる親の姿を見ると、子どもも挑戦を避けるようになります。下手でも失敗してもよいので、親御さんも一緒に取り組むことが大切です。そういう意味でも、運動習慣の割合が低い若い女性や子育て世代の方にも、運動習慣が必要だと思います。

相手との距離を把握する空間知覚や、転んだときに受け身を取る能力など、生きるために必要な脳の働きを「感覚統合」といいます。これは子どもの頃から養うことが大切ですが、大人になってからでもトレーニングによって鍛えられます。

このような脳と運動の関係もお伝えしながら、単に痩せるためだけではなく、ご自身の人生を豊かで幸せなものにするために、運動習慣を身につけていただきたいと思っています。

――お客様への指導で大切にしていることは何ですか?

小山: お客様と同じ目線で考えることです。目標や悩みは一人ひとり異なるため、同じ方向を向いて指導するようにしています。

例えば、純粋に「やりたい」という気持ちが先行する子どもとは異なり、大人は失敗した経験も多いため、「失敗を恐れる思慮」が先に立ち、身体が動かなくなることがあります。同じことを教える場合でも、相手の年代や状態を見ながら最適な方法で伝え、そばで支え、背中を押すことが大切です。

そもそも、運動において失敗してはいけないというルールはありません。転ばない方法だけではなく転び方を教えたり、転んだときにかける言葉によって、何度でも挑戦できるよう勇気づけたりする。何よりも、楽しむことの大切さを伝えるのがトレーナーの仕事だと思っています。

その上で、僕の知識や技術によってサポートできることは、すべて行うようにしています。必要であれば、その方のために勉強し、常に知識や技術を磨いて成長し続ける。その方の人生が輝き、運動が喜びや楽しみになるようにサポートします。

――eviGymで取り組みたいことや、成し遂げたいことを教えてください。

小山: トレーニングでは幅広いご要望に対応しますが、医療分野での経験が長いため、肩こりや腰痛の改善、姿勢改善を特に得意としています。プロアスリートを指導した経験から、その方の弱点や、鍛えることで強く美しくなるポイントを分析することも得意なので、身体づくりやボディメイクにも対応できます。

実は僕自身、ハンバーガーやピザ、お酒も大好きで毎日晩酌しますが、20歳の頃から体重や体型、血圧、コレステロール値はほとんど変わっていません。僕が実践している「ゆるい生活習慣」や「ちょこっと運動」によって基礎代謝を高め、体型を維持するための知識や方法もお伝えできます。

一方で、運動や食事をオリンピックアスリートレベルで指導することもできます。俳優やダンサーなど、特殊な身体技能を使う方のトータルメンテナンスや、「細くても強靱で体力があり、疲労を軽減できる身体をつくりたい」といったご要望にもお応えします。

ただ、気持ちとしては、公園やコンビニへ行くような感覚で、気楽にお越しいただきたいです。「なりたい自分になる」「自分を好きでいられる」ためのお手伝いをするのがトレーナーです。無数にあるトレーニングから、お客様のご要望に合わせてメニューをフルカスタマイズしますが、無理な運動や食事制限は行いません。運動を通して人生を楽しく豊かにすることが、一番の目的だからです。

運営面では、eviGymの「すべての人に運動習慣を」というコンセプトをサービスやコンテンツとして広めるお手伝いをしたいです。プロの世界や大学での研究を経験する中で、子ども、高齢者、障害のある方、女性などの運動機会や場所、仲間、指導者が圧倒的に不足していることに課題を感じています。すべての方が「本当に良いもの」を受け取れる運動機会をつくることが、僕の使命だと思っています。

若いトレーナーにとっても、自分自身が仕事を楽しめる職場づくりが大切です。お給料だけではなく、仕事を好きになれる場所でなければ、その気持ちはお客様にも伝わってしまいますからね。

――小山さんにとって、プロフェッショナルな仕事とは何ですか?

小山: 「未来に向けて学び続け、努力できる専門家」であることです。

過去の成功体験にとらわれず、新しい道を開き、前進できる人がプロフェッショナルだと思っています。邪魔なプライドは捨て、特に若い人からも学ぶ姿勢が大切です。自尊心は持ちながらも余計なプライドは捨て、他者を思いやって接することができるプロでありたいと思います。

小山トレーナーの動画
運動を楽しく続けるためのヒント