トレーナー紹介
身体を動かすと、こころもご機嫌に。
「元気が出ました」が、いちばんうれしい。

eviGymトレーナー: 山田 ももこ
子どもの頃はバスケットボールに打ち込み、キャプテンも務めていた山田ももこトレーナー。でも、水泳には「行きたくなかった」と話します。社会人になってから通ったジムでも、出かけるまでは気が重かったそうです。
一方で、仕事で疲れた日に身体を動かし、人と笑い合う時間に救われてきた経験もあります。お客様の表情をよく見て、その人に必要な情報を考えること。そして、気持ちに寄り添いながら、運動指導のプロとして身体に向き合うこと。山田トレーナーに、今の指導につながる経験を聞きました。
できるまで練習する子。でも、水泳には行きたくなかった
――子どもの頃、体育や部活動ではどのようなタイプでしたか?
山田: キャプテンをしていて、運動はまんべんなく、わりとすぐにできるタイプでした。ただ、柔軟系やマット運動は苦手だったんです。側転も全然できなくて。球技は得意でも、身体の使い方が違うと、できないものはありましたね。
最初に始めたのは、4歳の頃の水泳です。親が習わせてくれたのですが、自分からやりたかったわけではなくて、正直、全然行きたくなかったです。
思ったように動けないし、速く泳げない。しんどいのに連れて行かれるので、「アイスを買ってくれるなら行く」という感じでした(笑)。4種目とも泳げるようにはなりましたが、泳げることと、やりたいと思うことは別でしたね。
――バスケットボールを始めたきっかけと、当時のご自身について教えてください。
山田: 小学校3年生のとき、学校にあった募集のポスターを見て、「やってみる」と始めました。母がテニスをしていたのでテニスもやっていましたし、ピアノも習っていたんです。
バスケを続けたのは、コーチが一生懸命に声をかけてくれたことも大きかったと思います。「うまくなるよ」と言ってくれて。当時はチームの人数も少なかったので、私がすごかったからというわけではないんですけどね。
自分を一言で表すなら、「バカ真面目」でした(笑)。できるまで練習する、練習がすごく大事、というタイプです。クラブの時間以外にもドリブルを練習したり、居残りでシュート練習をしたりしていました。
練習すると褒めてもらえるじゃないですか。それがうれしくて、一生懸命やっていましたね。周りからも「真面目」と言われていました。
疲れていたのに笑えた。運動に救われるのは、今も同じ
――身体を動かすことのよさを感じるのは、どのようなときですか?
山田: 学生時代より、今のほうが感じるかもしれません。今もバスケをしているんですが、その場所に行くと、すごく疲れていても気分が爽快になったり、頭がすっきりしたりするんです。
人とコミュニケーションを取りながら動くことも大きいですね。誰かのプレーを褒めていたら自分も楽しくなるし、ちょっとミスをしても笑い合える。
仕事であんなに疲れていたのに笑えたな、とか、「何を悩んでいたんだっけ?」と思えるようになることもあって。そこには、すごく救われています。
――お客様にも、同じような変化を感じることはありますか?
山田: あります。来たときと帰るときで、お顔が違うんですよね。
「すっきりした」「身体を動かすと違いますね」と言っていただくこともありますが、特にうれしいのは「元気が出ました」という言葉です。
「今日は疲れたので、よく眠れそう」と言って帰られる方もいらっしゃいます。でも、やっぱり「元気が出た」がうれしいですね。トレーニングという体が疲れることをしたのにも関わらず、来たときよりも元気になって帰られる姿を見ると、うれしくなります。
「仕事って、楽しむものなんだ」と知った出会い
――トレーナーという仕事を意識したきっかけを教えてください。
山田: 社会人4年目のときです。当時は損害保険の仕事をしていたのですが、気持ちが落ち込んで、少し休職していた時期がありました。
そのとき、知り合いを通じて知ったジムに通い始めたんです。毎週、約束した日に行っていましたが、近い場所でもなかったので、正直、行くまではすごく気が重かったですね。
そこで代表の方とお話しする機会があって、「転職を考えているというか、人生に悩んでいます」と相談しました。その流れで「パーソナルトレーナーって楽しいですか?」と聞いたら、何の曇りもない顔で「楽しいよ」と言われたんです。
そのときに、「仕事って、楽しむものなんだ」と知りました。その方との出会いがきっかけですね。
基礎的な栄養学や解剖学も、マンツーマンで無料で教えてくださったんです。そのジムで働くことになっていたわけでもなく、本当に教えてくださっただけで。今でも、どうしてあのとき教えてくれたのか、聞いてみたいです。
トレーナーになったときには、「トレーナーになりました」とご報告しました。
身体の状態も、今日の気分も。想像以上に深かった仕事
――実際にトレーナーになってみて、想像とのギャップはありましたか?
山田: 思っていた以上に、勉強も仕事も深かったです。
一人のお客様に対して、骨格や姿勢の癖まで見る必要がある。それに加えて、来店されたときにどのような気分なのか、落ち込んでいるのか、うれしいことがあったのか。そういう心の部分も含めて、1時間のメニューを組むんですよね。
自分がお客様として通っていたときは、筋トレを教えてもらっている、という感覚でした。でも、eviGymで研修を受けてデビューしたら、「想像以上に深いぞ」と。
心を動かす部分をとても大切にしていることも印象的でした。「そこを大事にしていいんだ」と感じたのは、大きなギャップでしたね。
――デビューした頃のお客様で、今も印象に残っている方はいますか?
山田: 一番最初に担当した男性のお客様です。以前から長く通われている方で、私は本当に手探りでした。今思えば、見守ってくださっていたんじゃないかなと思います。
ただ、自分から「1年目なので」とは言いたくなかったんです。お客様の前に立ったら、プロなので。
その後、ご指名をいただくようになりました。その方はゴルフをされるのですが、肩のコンディションがよくないときなどに、頼っていただけるようになって。
施術をするわけではなく、コンディショニングのためのトレーニングを組むのですが、「毎回よくなる」と言っていただけるようになったんです。最初は手探りで担当していた方に、身体のことを頼っていただけるようになって、かかりつけトレーナーみたいになったのは印象に残っています。
――当時の指導を振り返ると、どのような部分が未熟だったと思いますか?
山田: 例えば、肩の位置や状態がよくないことは見えていても、それをどう改善していくかという方法を十分に持っていませんでした。
けがをしないようにウォーミングアップをして、メインの種目に入る。でも、そもそもどうしてその状態になっているのか、深く考えていく力が足りなかったと思います。
トレーニングのバリエーションも、その方に合う方法を選ぶ力も、まだ足りなかった。言葉にすると、「オーダーメイド力」ですね。その部分が未熟だったと思います。
一人で行き詰まったときは、仲間の力も借りる
――うまくいかなかった指導と、そこから変わった経験を教えてください。
山田: 肩が上がりにくいことに悩んでいる、50代後半の女性のお客様を担当したときです。
その方には、肩のお悩みと、「トレーニングをしたい」「身体を動かして筋力をつけたい」という、両方のご希望がありました。
でも当時の私は、肩に対するアプローチの引き出しが少なかったんです。自分の知っている方法を試しても、あまり大きな変化が出ない。そこに集中しすぎてしまって、十分に身体を動かす時間を確保できないまま、1時間が終わってしまいました。
続けて通ってくださってはいたのですが、「今日は満足して帰っていただけたな」とは思えないことがあったんです。
それで、当時在籍していた田村トレーナーに相談しました。具体的なアプローチの方法をいくつか教えてもらって、それを試すことを繰り返していくうちに、少しずつよい変化が見られるようになりました。
――今は、どのようにほかのトレーナーと相談していますか?
山田: 小川トレーナーと話すことが一番多いです。
改まって「このお客様のことで困っています」と相談するだけではなくて、普段、一緒にお客様の話をしている中で、ということが多いですね。
「あのお客様の歩き方のフォームは、何からアプローチしていけばいいかな」と話して、「それなら、これを試してみようか」と考えたり。そういう会話から、次に試す方法が見つかることがあります。
表情を見て、必要な情報を考える。寄り添い方にも試行錯誤がある
――お客様のためを思ってしたことが、押しつけになってしまった経験はありますか?
山田: 押しつけてしまった、という経験はあまり思い浮かばないですね。もちろん、慢心はよくないと思っていますが、お客様が「ちょっと違うな」と感じていそうな表情は、気になるんです。一瞬でも表情が変わると、そのまま進めないタイプだと思います。
説明するときも、「この方に、この情報が必要なのか」はすごく考えます。
ただ、逆に引きすぎてしまったことはあります。「今回は少し弱すぎたな」「もう少しやりたかったのかもしれないな」と感じることはありました。押しつけることより、もう少し背中を押せたかもしれない、という反省ですね。
――今も悔しさが残っている、お客様との出来事はありますか?
山田: 私がメインで担当していた方で、自分の対応を反省した経験があります。
その日はお客様がストレスを抱えていらっしゃって、「お話を聞かなきゃ」と思い、ストレッチをしながらお話を伺っていました。でも、聞くことに気持ちが向きすぎて、ストレッチがおろそかになってしまったんです。
お客様からも、ストレッチとして十分ではないというご指摘をいただきました。その後、担当が変わり、最終的には退会されたのですが、あの経験は悔しかったですね。
よかれと思ってお話を聞いていたのに、自分が提供するべきものを十分に提供できていませんでした。
――その経験は、今の指導にどのようにつながっていますか?
山田: 私たちは運動指導のプロなんだ、ということを忘れないようにしています。
お話を聞くことに集中して、ストレッチや運動指導がおろそかになってはいけない。ストレッチも、運動指導も、プロとして行うものです。
運動で身体をよくすることが自分たちの仕事だということを、常に頭に置いておく。それが、この経験から得た教訓です。
一人ひとりに気持ちを使う。それでも「天職」だと思える
――「トレーナーに向いていないかもしれない」と思ったことはありますか?
山田: あります。ただ、特定のお客様との出来事というより、自分自身のことですね。
たくさんの方を担当できれば、それだけ多くの方を幸せにできると思うんです。でも私は、一人ひとりに共感しすぎるというか、自分のエネルギーを使いすぎるところがあって。
多くの方を担当していると、自分を保てなくなることがありました。そういう意味では、「向いているけれど、向いていないのかもしれない」と思ったこともあります。
でも、そう思った時期を経て、今は「すごく向いているし、天職なんじゃないかな」と感じています。




