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こころもからだも美しく健康になれる週一回筋トレのやり方と科学的根拠

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定期的に運動することが良いことに疑う余地はありません。そうわかっていても、仕事、余暇や趣味、家族や友人との時間によって、運動から遠ざかってしまうことは間々あることです。

幸いなことに、最新研究によると、週に1回しかトレーニングに取り組む時間がない人であってもトレーニングによりさまざまな恩恵を得ることができるとしています。

 

週に一回であっても死亡リスクを軽減

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JAMA Internal Medicineに掲載された研究によると、成人約6万4,000人を対象とした集団データを分析し、世界保健機関が推奨する中等度以上の運動を150分間行うことと、75 分間の高強度な運動を行うことで、死亡リスクが30パーセント低いと示しました。ここで重要なことは、その時間が週に1回、2回、または6回のワークアウトに分散されているかどうかは関係ないとしており、週に一回であっても死亡リスクを軽減するとしています。

この研究では、運動をした人と全く運動をしなかった人とを比較したものですが、週一でも「動かないよりは動いたほうがいい」ことを裏付ける結果となりました。

では、週1回どのようなトレーニングをするべきなのか?

時間や場所を選ばずに運動効果を最大限に得る上で、筋力トレーニング(自重でのトレーニング含む)に重点を置くことが有効であると考えられます。

週に1回筋トレを行うと、身体的および精神的な観点から多くのメリットが得られます。実際、毎週一回の筋トレで、筋力や気分などが向上することが科学的に証明されています。

 

週に 1 回だけ筋トレを行うことで得られる効果は、大きく五つ挙げられます。

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一つ目は筋力の向上です。

2018年にスポーツ医学誌に発表された研究では、週に1回と週に複数回の筋トレで得られる筋力の増加に有意な差はないと述べています。同研究によるデータでは、週一回のグループと複数回行うグループで比較した結果、毎週のトレーニング頻度の増加と最大筋力増加との間に強い相関関係は示されなかったとしています。

さらに2015年にアメリカ老年学誌に掲載された研究では、高齢者のグループが週に1回、2回、または3回、筋トレに取り組み、これを24週間にわたって追跡調査しました。驚くべきことに、3つのグループ間で筋力増加の違いは認められませんでした。言い換えれば、週に1回しか筋トレをしなかった参加者は、週に3回も筋トレをした参加者と同じ筋力向上を享受したということです。もちろん、週に複数回筋トレを行うことで、筋力以外の面でさまざまなメリットがありますので、十分なリカバリー期間を設けて週に複数回トレーニングすることは良いことと言えるでしょう。

次に、心臓と血管の健康が改善されます。

筋トレは、心臓と心血管系の健康を維持するために不可欠な要素です。筋トレを行うと体重に占める筋肉の割合が増加し、血流が拡大し、動脈にかかる負担が軽減されます。

さらに良い点は、これらの心臓や血管の健康状態の改善には、とくに長時間運動する必要はないとされています。2019年にMedicine & Science in Sports & Exerciseに掲載された研究では、心血管の健康状態を劇的に改善するには、週に60分未満の筋トレで十分であると報告しています。研究の中では、5分もかからないベンチプレスを2セット行うだけで効果が期待できると述べています。筋肉はカロリーを消費する一大組織でもあるため、筋肉が増えることは代謝を上げて太りにくい体をつくることにもつながります。このように、週に一時間未満の筋トレにより、心疾患、脳卒中のリスクを40-70%軽減し、高コレステロールのリスクを32%抑え、メタボリスクを29%低下させると結論づけています。

三つ目は快適な睡眠です。

新型コロナ以降、近年、急激に不眠症の割合が増加していると言われています。なんと筋トレは、この睡眠にも大きな効果が期待できるとされています。

『Preventive Medicine Reports』に発表された23,000人以上を対象とした大規模な研究では、筋トレは運動の量にかかわらず、睡眠の質の向上と関連があることを示しました。研究の参加者は、その週に筋トレを実施するたびに、睡眠が良好になったと報告しています。

この研究については、年齢、BMI、性別、喫煙状況、既往歴など、睡眠パターンに影響を与えた可能性がある追加のライフスタイル・人口動態要因を慎重に考慮しましたが、結果は同様のものでした。

さらに、最も重要なことは、週に複数回筋トレしても睡眠の改善がさらに促進されることはなく、週に 1 回筋トレを行うだけで、睡眠の改善を得るのに十分であるとしています。

四つ目は仕事効率のアップです。

2019年に『Frontiers in Physiology』に発表された研究では、週に1回の筋トレで、顕著な身体的健康上のメリットを生み出すのに十分であると強調しています。同研究では、高血圧、高コレステロール、高血糖、または高レベルの炎症が、9か月のトレーニング後に最も改善すると示しています。加えて、週に2~3回のトレーニングでは、これらの大きな効果は認められなかったとしています。

さらに、参加者は、毎週 1 回の筋トレにより、日常業務をより簡単に実行できるようになったとしています。 荷物を運ぶ、階段を上り下りする、正しい姿勢を保持して椅子に座るなど、日常生活活動に必要な能力が向上することで、仕事やプライベートへも大きな利点となったとしており、集中力や思考力といった脳力や必要な筋力を養うには週に1回で十分であると示唆しています。

最後はこころの健康です。

一般に、運動が精神的健康に効果的であることは十分に認知されています。ランニングなどの有酸素運動のあとの爽快感や高揚感は多くの人がよく知っていますが、筋トレがこころの不安との戦いにも驚異的な効果を発揮することが多くの研究で報告されています。

『Frontiers in Psychology』に掲載されたある研究では、筋トレが不安のコントロールに役立つと報告しています。興味深いことに、重りを一回挙げるだけで不安が軽減されると報告しています。さらに、1RMよりも70%軽い重量で、低から中強度のトレーニングが最も顕著な不安の減少をもたらすと結論づけています。つまり、重ければ良い、多ければ良いというわけではないことを示唆しました。

また、900人以上の参加者を分析した別の研究においても、同様の結論に達しました。筋トレは、精神疾患と診断された参加者の間でも、不安症状を大幅に軽減することが判明しています。ここでも、重要なことは筋トレと不安感情の軽減との関係は、トレーニング時間、強度、頻度に相関関係がないということです。

 

週に一回の筋トレを最適化するためのヒント

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①複合種目で取り組む

スクワットやデッドリフトなど一度に複数の筋肉群をターゲットにする種目を選び、体を大きく動かして行い、限られた時間で最大の結果を得ましょう。

②レジスタンスを取り入れる

ウェイトマシンやフリー ウェイトを使用して負荷をかけ、自重トレーニングのみを行うよりも効果的に筋肉量と筋力を増強しましょう。

レジスタンストレーニングとは

③ゆっくり徐々に上げていく

筋トレでは強度が強すぎてもゆるすぎても効果が下がってしまいます。重量と強度は徐々に上げていき、少しキツイくらいの強度で進めていきましょう。

 

主な参考文献

Ralston, G.W., et al., Weekly Training Frequency Effects on Strength Gain: A Meta-Analysis, Sports Medicine – Open, volume4, Article number: 36 (2018)

LIU, Y., et al,. Associations of Resistance Exercise with Cardiovascular Disease Morbidity and Mortality, Medicine & Science in Sports & Exercise 51(3):p 499-508, March 2019. | DOI: 10.1249/MSS.0000000000001822

 

Bennie, J.A., et al,. Muscle-strengthening exercise and sleep quality among a nationally representative sample of 23,635 German adults, Preventive Medicine Reports

Volume 20, December 2020, 101250, https://doi.org/10.1016/j.pmedr.2020.101250

 

Ihalainen, J.K., et al,. Strength Training Improves Metabolic Health Markers in Older Individual Regardless of Training Frequency, Front. Physiol., 01 February 2019

Sec. Exercise Physiology

Volume 10 – 2019 | https://doi.org/10.3389/fphys.2019.00032