トレーナー紹介
「義務になった筋トレ」から、
楽しく続けられる運動を届ける側へ

eviGymトレーナー 中本 直希
――学生時代、運動面ではどのようなタイプでしたか?
中本: 運動は嫌いではなく、身体を動かすことは比較的好きでした。ただ、特別に運動神経が良かったわけではありません。
サッカーや野球のように、足先やボールを細かくコントロールする競技は苦手でしたね。一方で、身長が182cmあるので、バレーボールやバスケットボールではリーチを生かすことができました。
中学生の3年間と高校1年生までは、バレーボール部に所属していました。
――好きだったバレーボールを、高校1年生で辞めたのはなぜですか?
中本: バレーボールが嫌になったわけではありません。それ以上に熱中できるものとして、筋力トレーニングに出会ったからです。
きっかけは、仲の良いクラスメイトから「中本は細すぎる」と言われたことでした。当時は身長がある割にかなり細く、自分でも体型をコンプレックスに感じていたんです。
そこから、公園で懸垂をしたり、腕立て伏せをしたりするようになりました。
――筋力トレーニングは、誰かに教わったのでしょうか?
中本: 最初はYouTubeを見ながら、見よう見まねで取り組んでいました。ただ、正しい方法が分からなかったので、なかなか成果が出ませんでした。
その後、フィットネスクラブに通うようになり、そこで師匠のような方と出会いました。40代から50代くらいの方で、健康のために身体を鍛え始めた結果、とても筋肉質になった方です。
その方が声をかけてくださり、トレーニングの方法を教えてくれました。高校生だった僕にとって、本当にありがたい出会いでしたね。
――筋力トレーニングのどのようなところに楽しさを感じましたか?
中本: やはり、頑張った分だけ自分の身体に変化が現れるところです。
特に胸まわりの変化は分かりやすく、Tシャツを着たときに「少し胸板が厚くなったかもしれない」と感じられることがうれしかったですね。
筋力トレーニングは、正しく続ければ少しずつ変化が表れます。大会で上位を目指す段階になると才能も関係すると思いますが、健康や身体づくりを目的に取り組むのであれば、頑張った分だけ成果につながりやすい。それが筋力トレーニングの魅力だと感じています。
身体が変わるにつれて、友人からも「身体が大きくなったね」「筋力トレーニングを教えてほしい」と声をかけてもらえるようになりました。
高校時代にはAPFのフィジーク大会にも出場し、高校生の部で2位になることができました。
――大会で結果を残しながら、選手ではなくトレーナーを目指したのはなぜですか?
中本: 大会に向けて取り組むうちに、筋力トレーニングが義務のようになってしまったことが大きかったです。
「今日はこれをやらなければならない」という作業感が強くなり、身体は動かしていても、心が動かなくなっていました。
大会に向けて体重を増減させるためには、数カ月単位で計画的に取り組む必要があります。当時は受験や進路についても考えなければならない時期だったため、精神的な負担が重なり、純粋に楽しめなくなってしまったんです。
一方で、師匠に教えてもらったときや、友人と一緒に取り組んだときに感じた「筋力トレーニングは楽しい」という気持ちは、ずっと自分の中に残っていました。
だからこそ、選手として自分が結果を出すよりも、運動の楽しさを誰かに伝える側になりたいと思い、トレーナーを目指しました。
――eviGymでデビューしてから、印象に残っているお客様はいますか?
中本: デビュー後、初めて担当させていただいた女性のお客様が印象に残っています。とても優しく気さくな方で、現在も担当する機会があります。
その方との関わりから学んだのは、「身体を変えることだけに執着してはいけない」ということでした。
トレーナーとしては、お客様の姿勢や身体をより良くしたいという思いがあります。ただ、それを優先しすぎると、お客様が望んでいないことまで押しつけてしまい、トレーニングを義務に変えてしまう可能性があります。
そのお客様が一番大切にしていたのは、楽しく続けることでした。その先に、姿勢や身体の変化もあればうれしいという考え方だったんです。
トレーナー側の理想だけで進めるのではなく、お客様が何を大切にしているのかを尊重しなければならないと気づかせていただきました。
――その経験を、現在の指導にどのように生かしていますか?
中本: まずは、徹底的に話を聞くようにしています。
久しぶりに担当するお客様であれば、「最近の目標は何ですか?」と改めて確認します。お客様が今目指していることと、トレーナーが考えている方向をすり合わせることが大切です。
お客様とトレーナーの間に認識のずれがあるまま進めても、良いトレーニングにはなりません。
現在は、お客様の目標を確認した上で、その方に合った無理のないトレーニングを一緒につくることを意識しています。
――これから目指していきたいトレーナー像を教えてください。
中本: 健康づくりを目的とする方から、フィジーク大会への出場を目指す方まで、幅広い目的に対応できるトレーナーになりたいです。
ただ、今の自分が特に届けたいのは、eviGymを運営するクルル株式会社が掲げる「すべての人に、“こころと身体を動かす”運動習慣を」という思いです。
僕自身、好きだった筋力トレーニングが義務になり、楽しくなくなってしまった経験があります。だからこそ、お客様の運動を「やらなければならないもの」にはしたくありません。
身体を変えることだけを優先するのではなく、その方の目標や気持ちをしっかりと聞き、無理なく楽しく続けられる方法を一緒に考える。
まだ経験を重ねている途中ですが、一人ひとりのお客様と向き合いながら、心も身体も前向きに動かせるトレーナーを目指していきたいです。


