トレーナー紹介

大石 力
【保有資格】

在籍店舗:渋谷東口店
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「運動を教える」だけではなく、その人の生活まで考える
eviGymトレーナー・大石 力さんが、経験を重ねてたどり着いた伴走のかたち
子どもの頃から運動が好きで、高校時代には陸上競技で関東大会に出場した大石力トレーナー。
華やかな競技歴だけを見ると、順風満帆にトレーナーへの道を歩んできたように見えるかもしれません。
しかし実際には、得意ではない野球を辞めたくなった経験や、トレーナーになってもお客様をほとんど担当できず、「自分はこのジムに必要ないのではないか」と悩んだ時期もありました。
それでも、大石トレーナーは目の前のお客様に関心を持ち、周囲のトレーナーに相談しながら、一つずつ経験を積み重ねてきました。
現在、大石トレーナーが大切にしているのは、トレーニングをeviGymの中だけで完結させないこと。
お客様がジムに来ている時間だけではなく、その人の生活全体を見ながら、無理なく運動を続けられる方法を一緒に考えています。
今回は、大石トレーナーの原点や新人時代の葛藤、失敗を通じて変化した指導への向き合い方について聞きました。
足が速かったわけではない。誰よりも練習したから、結果につながった
――子どもの頃、体育や部活動ではどのようなタイプでしたか?
大石:体育には積極的に参加するタイプでした。マット運動や跳び箱、かけっこなど、自分の身体一つで行う種目は比較的得意でした。
一方で、球技は一通りできましたが、得意というほどではありませんでした。小学生の頃は野球もしていたのですが、なかなか上達できなかったんです。
――陸上では関東大会にも出場していますが、もともと足が速かったのでしょうか?
大石:実は、小学生の頃は足が遅かったんです。
野球と並行しながら走る練習を重ねて、少しずつ速くなりました。小学校4年生頃からリレーの選手に選ばれるようになり、中学生では県大会の準決勝、高校では関東大会の決勝に進み、8位に入ることができました。
最初から才能があったというより、誰よりも練習した結果だと思っています。
陸上部では短距離の走り込みを毎日のように行っていました。今振り返っても、当時の練習以上にきついと感じた経験は、なかなかありません。
でも、その経験があったからこそ、今の自分のメンタリティがつくられたと思っています。
――当時の自分を一言で表すと、どのような人でしたか?
大石:負けず嫌いで、頑固でした。
今も負けず嫌いなところはありますが、以前よりは違う視点を持ったり、人の意見を受け入れたりできるようになったと思います。
「野球を辞めたら、自分には何もない」と思っていた
――運動から逃げたい、途中で諦めたいと思った経験はありますか?
大石:小学生の頃に続けていた野球は、何度も辞めたいと思いました。
なかなか上達できなかったですし、練習もきつかったので、行きたくない日も多かったです。
それでも辞めなかったのは、当時の自分が「野球を辞めたら、自分には何も残らない」と思っていたからです。勉強も好きではなかったので、自分にできることは野球しかないと思い込んでいました。
結果として5、6年ほど続け、中学校へ進学するタイミングで野球を辞めました。
――当時の自分に、今声をかけるとしたら何と伝えますか?
大石:「一旦、最後までやれ」と伝えたいです。
当時は苦しかったですが、辞めずに続けた経験は、社会人になった今もすごく役立っています。
練習へ行くまでは嫌でも、実際に身体を動かすと楽しい。その感覚も覚えています。
気持ちと行動が一致しないことは、運動を続けようとしているお客様にも起こることだと思います。
だから今は、「やる気がないから続かない」と簡単に決めつけず、その方が動き出しやすくなる方法を一緒に考えるようにしています。
関東大会で感じた、選手ではなく指導者としての可能性
――トレーナーという仕事を意識したきっかけを教えてください。
大石:高校2年生の頃には、スポーツに関わる指導者になろうと決めていました。
陸上で関東大会に出場したときに、全国で戦う選手たちのレベルを目の当たりにしたんです。そのとき、自分はプレイヤーとして上を目指すよりも、指導する側のほうが向いているのではないかと感じました。
当初はトレーナーに限らず、スポーツインストラクターなども含めて、指導者になることを考えていました。
その後、より一人ひとりと向き合える仕事として、マンツーマンのトレーナーを目指すようになりました。
――影響を受けた人はいましたか?
大石:高校時代の陸上部の顧問の先生です。
先生とはすごく仲が良く、指導者を目指すうえで大きな影響を受けました。
家族や学校の先生も、僕がトレーナーを目指すことを応援してくれました。自分で進路を決めてから家族へ伝えることが多かったのですが、「決めたならやってみたらいい。困ったらまた頼ればいい」と言ってもらえました。
どんな道を選んでも応援してもらえる、恵まれた環境だったと思います。
お客様が来ない。理想と現実のギャップに悩んだ新人時代
――トレーナーになる前の理想と、実際に働き始めてからの現実にギャップはありましたか?
大石:かなりありました。
トレーナーになる前は、毎日お客様のトレーニングを担当して、「ありがとう」と言っていただける、楽しく充実した仕事をイメージしていました。
でも、実際には、お客様が自動的に自分のところへ来てくださるわけではありません。
入社後しばらくは研修が中心だったので、期待やワクワクのほうが大きかったのですが、2、3か月が過ぎた頃から、現実を感じるようになりました。
周りには優秀なトレーナーが多く、お客様は自分に合うトレーナーを選びます。自分が安定してセッションを担当できるようになるまで、1年ほどかかりました。
――「自分はトレーナーに向いていないかもしれない」と思ったことはありますか?
大石:あります。
向いていないというより、「自分は必要とされていないのではないか」と感じたことがありました。
当時は、週に2件ほどしかセッションを担当できない時期もありました。週40時間勤務している中で、担当するセッションが2件だけという状況です。
「このジムに自分はいらないかもしれない」と思い、辞めたいと考えたこともありました。
そのときは、同期の竹内トレーナーや狩野トレーナーに相談し、支えてもらいました。
そして、自分にできることとして、お客様に興味や関心を持つこと、自分自身にも関心を持っていただけるよう努力することを続けました。
その積み重ねが少しずつ結果につながり、現在は多くのセッションを担当させていただいています。社内でも評価していただけるようになり、努力を続けてきて良かったと感じています。
最初に選んでもらえた理由は、知識や技術ではなかった
――新人時代に担当したお客様で、今も心に残っている方はいますか?
大石:初めて自分を指名してくださったお客様は、今でも覚えています。
その方は、知識や技術だけを見て選んだのではなく、「この人なら自分のために頑張ってくれそう」と感じてくださったそうです。
当時の僕は、知識や技術を身につけることに必死でした。
でも、その言葉を聞いて、知識を持っているだけではなく、お客様を思う気持ちを伝えることが大切なのだと気づきました。
その経験から、正しいことを一方的に伝えるのではなく、お客様に寄り添い、何を考え、何を求めているのかを丁寧に聞くことを意識するようになりました。
もう一人、長く担当させていただいているお客様がいます。現在も通ってくださっていて、今年の秋で5年目になります。
長く関係を続けていただけていることは、本当にありがたいですし、自分のトレーナー人生における大きな支えになっています。
「いつも通り」で終わらせない。お客様の意図をくみ取る
――お客様の反応を見て、「今日の指導はうまくいかなかった」と感じたことはありますか?
大石:もちろんあります。
特に、長く通ってくださっているお客様に対して、いつも通りの内容で終わってしまったときです。
新しい目標をつくれなかったり、その方が今求めていることを十分に引き出せなかったりすると、「今日のセッションは本当に意味のある時間だっただろうか」と振り返ります。
そういうときは、セッションの内容を見直し、次回はどう提案するかを考えます。
以前の僕は、自分の知識や用意した内容を伝えることに意識が向きすぎていた部分がありました。
今は、コミュニケーションを通して、お客様の言葉の奥にある意図をくみ取ることを大切にしています。
――今、同じようなお客様を担当するとしたら、最初に何を見ますか?
大石:まずは、その方が何を感じ、何を求めているのかを聞きます。
言葉として表れている目標だけでなく、その背景にある生活や気持ちまで考えるようにしています。
トレーナーの勢いで一方的に進めるのではなく、お客様に寄り添いながら、一緒に方向性をつくっていく。
そこは、以前よりできるようになった部分だと思います。
忙しさに負けないために、トレーニングをジムの中だけで終わらせない
――お客様の退会で、特に悔しかった経験を教えてください。
大石:「忙しくて通えない」という理由で退会されたときは、悔しさが残ります。
仕事や生活の事情によって、どうしても通えないことはあります。
ただ、自分がもっとその方の生活習慣に踏み込めていたら、忙しい中でも運動を続けられる方法を提案できたのではないかと思うんです。
ジムへ来られないことが、そのまま運動をしないことにつながってしまった。その状況に対して、自分はもっとできることがあったのではないかと感じました。
――その経験から、現在の指導では何が変わりましたか?
大石:トレーニングをeviGymの中だけで完結させないことを意識するようになりました。
例えば、24時間ジムにも通っている方であれば、eviGymで週1回トレーニングするだけではなく、ほかのジムではどのような運動をするとよいかを伝えます。
自宅で過ごす時間が長い方であれば、寝たままでもできる運動や、日常生活に取り入れやすい動きを提案します。
ジムへ来たときだけ運動する状態では、忙しくなった瞬間に運動そのものが止まってしまいます。
だから今は、お客様が来店していない時間も含めて、どのように運動を生活へ取り入れるかを考えています。
その方の生活に運動が入ることで、eviGymでのトレーニング効果も高まります。
お客様がジムへ通うこと自体を目的にするのではなく、自分の生活の中で運動を選べるようになることが大切だと思っています。
分からないことを抱え込まず、周囲の力を借りる
――判断に迷ったときは、どのように対応していますか?
大石:自分だけでは判断できない場合は、ほかのトレーナーに相談します。
特に、生活習慣や既往歴が身体へどのような影響を与えているのかを判断する場面では、経験豊富なトレーナーの意見を聞くようにしています。
事前に相談し、できるだけ準備をしたうえで、お客様を担当します。
――具体的に相談した事例はありますか?
大石:交通事故に遭われたお客様を担当したときです。
全身を強く打ち、首を含めて身体の可動域が大きく制限されていました。1か月近くほとんど身体を動かせず、これまで自分が経験したことのない状態でした。
自分でも解剖学を調べましたが、それだけでは十分ではないと感じ、狩野トレーナーや山浦トレーナーへ何度も相談しました。
いろいろな方法を検討し、安全性を確認しながら試した結果、少しずつ身体に変化が出るようになりました。
経験を積んだからといって、壁がなくなるわけではありません。
むしろ経験を重ねるほど、自分だけでは判断できないこともあると分かるようになりました。
分からないことを曖昧なまま進めるのではなく、周囲に相談しながら、お客様にとってより良い方法を探すことが大切だと考えています。
そのお客様が、けがをした状態でもeviGymへ来てくださったことは、信頼していただけている証拠でもあると思います。
分からない分野から逃げず、周囲の力を借りながら向き合って良かったと感じています。
お客様が、自分で運動を選べるようになるために
競技で思うように結果が出なかった経験。
辞めたいと思いながらも、最後まで続けた経験。
トレーナーになってもお客様を担当できず、自分の存在意義を見失いかけた経験。
大石トレーナーの現在の指導には、これまで経験してきた迷いや葛藤が生かされています。
「正しい運動を教えること」だけが、トレーナーの仕事ではありません。
お客様が何を感じ、どのような生活を送り、なぜ運動を続けられないのか。その背景まで見たうえで、その方に合った選択肢を一緒に考える。
そして、自分だけで判断できないときには、周囲の知識や経験を借りながら、より良い方法を探していく。
大石トレーナーが目指しているのは、ジムに来ている時間だけを支えることではなく、お客様の毎日の中に運動が自然に入っていく状態です。
運動を「やらなければならないもの」ではなく、自分のために「やってみよう」と選べるものにするために。
今日も一人ひとりの生活に目を向けながら、お客様と並んで歩み続けています。




