「運動は毎日しないと意味がない」 「週3回は通わないと効果がない」
本当にそうでしょうか?
最新の研究によると、実は週1回の運動でも十分な効果が得られることが分かってきました。
特に、筋力トレーニングは短時間でも大きな効果が期待できるんです。
6.4万人の大規模調査で検証。週1回の運動でも意味がある。
JAMA Internal Medicineに掲載された研究によると、世界保健機関(WHO)推奨の運動量を週1回でまとめて行っても、週6回に分けて行っても、効果は変わらないことが判明。運動している人は、全く運動しない人と比べて死亡リスクが30%も低くなるという結果が出ています。
週1回の筋トレで得られる5つの素敵な変化
1. 週1回の運動でも筋力向上
- 2018年のスポーツ医学誌の研究で判明:週1回と週3回で筋力向上に大きな差なし
- 24週間の追跡調査でも証明:週1回グループも週3回グループも同じ筋力向上を実現
2. 週1回の運動でも血管の働きが改善
たった週1時間未満の筋トレで心血管の健康が改善されます。5分程度のベンチプレス2セットでも効果がありました。
週1回の筋トレで期待される結果
- 心疾患・脳卒中リスク:40-70%減
- 高コレステロールリスク:32%減
- メタボリスク:29%減
3. 週1回の運動でもぐっすり快眠効果
23,000人以上の大規模研究で実証(Preventive Medicine Reports)
年齢、BMI、生活習慣などの要因を考慮しても快眠効果は変わらず。週1回で十分な睡眠改善効果が得られる。
4. 週1回の運動でも仕事に好影響
9ヶ月の追跡調査で証明(Frontiers in Physiology)
期待効果
- デスクワークの姿勢改善
- 荷物の持ち運びが楽に
- 階段の上り下りがラクに
- 集中力・思考力アップ
5. 週1回の運動でもこころもスッキリ
- トレーニング重量は軽くても不安感が軽減
- 重要ポイント:重すぎる必要なし!
- むしろ軽めの重量(最大重量の70%以下)で効果的
- 900人以上の研究で効果を確認
週1回の運動習慣を成功させる3つのコツ
1.効率重視の全身運動を選ぶ
スクワットなど、複数の筋肉を同時に使う運動がおすすめ!限られた時間で最大の効果を。
2.適度な負荷をかける
自重トレーニングに加え、軽いダンベルなども活用!マシンジムなら、使い方を教えてもらって安全に
3.ゆっくり始めて段階的にアップ
「ちょっとキツイ」くらいが続けるコツ!無理は禁物!楽しく続けることが一番
まとめ
完璧な運動習慣にこだわるあまり、何も始められていない方へ。 週1回からでも十分な効果が得られることが、科学的に証明されています。 あなたのライフスタイルに合わせて、無理のない運動習慣を見つけていきましょう。
執筆者
1978年1月22日生まれ。北海道札幌市出身。立正大学法学部を卒業後アメリカに渡り、エンポリア州立大学大学院スポーツ医科学専攻課程と、セントラルミシガン大学大学院運動科学専攻課程を修了。 オリンピック選手やプロのアスリートのトレーナーとして活躍。障害者スポーツについて学び、帰国後は群馬大学にて教鞭を取り、運動と脳の働きを研究。2018年英国ケンブリッジ大学での世界教育会議にて最優秀研究発表賞受賞。
体や脳、運動に関する著書も多数執筆。『0歳からのボール遊び運動 “投げる”が脳と体を育む』『野球選手のTHE肉体改造』『現代社会のスポーツ総合学 1―スポーツとともに生きるエキスパート達の提言 (グリーンブックレット)』他